2021年2月5日に高梨沙羅選手が海外大会で敗退してしまいました。
2021年初めての大会ということで緊張もあったのでしょうから、今後頑張ってほしいです。
しかし、問題は負けた理由にあります。
なんと、高梨沙羅選手は失格をしてしまったので競技すら行う前に負けてしまったのです。
オリンピックでメダルを取るような選手で失格なんてあるのでしょうか?
今回はそんな恐怖のルール「スーツ規定」について紹介します。
高梨沙羅がスーツ規定で失格

高梨沙羅選手が2021年はノルディックスキーのW杯ジャンプ女子という世界大会に出場しました。
新型コロナウイルスの影響で十分に練習が詰めない中での戦いだったものの、1回目のジャンプでは91.5 mという大会1位成績を叩き出しました。
誰もがこの勢いで優勝すると思った矢先、事件が起こりました。
2回目のジャンプの際「スーツ規定」という違反行為があったので高梨選手は失格になってしまったのです。
この結果、高梨選手は敗退してしまいます。

高梨沙羅が失格したスーツ規定って何?

超一流選手の高梨選手がまさかの失格を食らってしまった「スーツ規定」とは何なのでしょうか?
実はスキージャンプでは服のサイズが非常に細かいところまで設定されているのです。
高梨沙羅選手の場合、股下が8ミリ長かっただけで失格となったようです。
そんなに細かいの?って思っちゃいましたがルールブックにはかなり細かく書かれています。
8ミリって少し動いて痩せてしまったらすぐに変わってしまうくらいギリギリのレベルです。
これはベテランの選手でも起こりうる違反だなと思いました。
スーツ規定はなぜここまで厳しいの?

たった8ミリで失格とはかなり厳しいルールだなと思いました。
一部では日本人への嫌がらせ、なんて意見もありますが実は真逆の理由があるんです。
それは、小柄な選手の不利を小さくしようというものです。
スーツが大きいと、それだけ表面積が大きくなります。
これによって、ムササビのように空気を拾いやすくなるんですね。

もし、大柄の選手がダルダルの服を来れば、それだけ膨らみができるので本人の力以上に飛べることになります。
これってスポーツというよりは服の性能の話になってしまいますね。
それを防ぐために、厳しい規定が備わっているのです。
実際、スキージャンプのルールブックにはここまで細かく規定が決まっているのです。
A) 前腕の長さ(AL)は、脇の下のシーム(縫い目)が交差するところから、袖の先端までのシームに沿って測定する。
測定した数値は、腕の実寸を上回ってはならず、かつ最大許容差 4cmを下回ってはならない。
B) 前股下の長さ(SL)は、股下のシームが交差するところ(SX)から、スーツの脚部分の先端までのシームに沿って測定する。
測定した数値は、測定した選手の股下の長さを下回ってはならない。
C) 股下:地面から股下まで垂直に測定する。選手はジャンプ台でジャンプ前と同じように
(ブーツに装着された)ジャンプスーツおよびブーツを着用しなければならない。測定時は足を 40cm 離し、脚は完全に伸ばさなければならない。測定した股下サイズは選手のボディーで測定した股下サイズと一致しければならない。
股下の長さと適合のコントロールは同時に実施されなければならない。
D) クロッチのシームクロス部分(Sx)がスーツの最下部でなければならない。
このクロス部分はスーツの真ん中で(フロントからバック)最大許容差 2cm とする。
E) スーツ内側腰骨真上にジッパーからジッパーまで腰回り水平に非伸縮性ベルトを縫い付けなければならない。
同ベルトの幅は 2~4cm、厚さ最大 2mm でなければならない。
ベルト周りのスーツ寸法は、スーツを伸ばした時でも、ボディー寸法を超えてはならない。
引用: http://saj-wp.appmlj.com/wp-content/uploads/15d2ca87295a2ca3eca9820809887def.pdf
細かすぎてびっくりしますね。
こうなるとベテラン選手でも違反はやむを得ないかなと思ってしまいます。

