化学

有機化学の山場・構造決定のコツを伝授

有機化学は何といっても構造推定問題が一番配点が高いです。

それだけ受験生の間で差がつく文太なので、やっぱり得意にしておきたいですよね?

とはいえ、よく出されるということはそれだけ多くの受験生が攻略できなかったというのも事実です。

「いつも出題されるけどどのように勉強したらわからない」

「ケースバイケースだから勉強したって無駄でしょ」

「手っ取り早くうまくなる方法を教えて」

 そこで、今回は「構造決定問題をどうやって得意分野にしていくか」ということを紹介していきます。

ここで、きっちり考え方を学んで、ライバルに差を付けてくださいね!

知識の暗記は試薬を中心に

 構造決定問題を解く前に、まずは知識を暗記する必要があります。

そのとき試薬から反応が予測できるようになってください!これが大前提になってきます。

その理由は構造決定問題では、反応物も生成物も分からない時が多いからです。

「は?反応物も生成物も分からないのにどうやって予測すんだよ??」

この答えは構造決定問題はどのような問題か、これを確認すると分かります。

構造決定問題とは、めっちゃ大きな分子をいろんな試薬で分解します。

その断片を一つずつ確認したのち、最後に組み合わせて元の化合物を推定する問題です。

ということは、反応物も最初は分からないわけです。

分かってることといえば分子式くらいで生成物も分かりません。

最初はそこの特定から始まるわけです。

そうなってくると書いてある手掛かりって試薬くらいしかないんです。

「この試薬ではこんなことしてそうだな」

このように、ある程度予測していかなければいけないのです。

まずはこれをマスターしましょう。

この勉強方法には穴埋め問題がおススメで、よくある構造式を書きこむやつです。

これの作業がまさに、構造決定問題をやっているときと同じ手順になります。7割できれば後は演習で覚えていけます。

炭素数と不飽和度を意識

暗記事項が済んだらいよいよ問題を解いていきます。

その時に意識することが2つあります。

それが炭素数不飽和度です。

炭素数は分子の外形がほぼ決まるもの

炭素数は、骨格のサイズを決めますが「よっぽどのことがないと変化しません」

この意識が重要です。

よっぽどのこととは、エステルの加水分解やヨードホルム、酸化開裂といったものです。

これら以外は基本的に変わりません。

構造推定は、いろんな反応が起こるので水素や酸素の数はよく変わります。

でも、炭素の数は変わりません。

これがめちゃくちゃ大きなヒントになります。

不飽和度は反応性を決める指標になる

不飽和度とは、水素の不足分がどれくらいあるかを表してくれるものです。

これは完全に受験テクニックでサイエンス的な意味はほとんどないです。

意味合いとしては反応性を確認する重要な手段です。

基本的に多重結合があるところで反応は進行します。

そのため、こいつがあるところで反応が進行するな!

って意識で大丈夫です。

そして、たまに不飽和度が大きいときがありますが、その時はベンゼン環を疑いましょう。

ベンゼン環の不飽和度は4なので、相対的に大きくなっちゃうんですね。

逆に全体から4ひいた値が官能基となる部分の結合、もしくは環と分かるのでそこから切り崩していきます。

これ以上にない参考になること間違いなしです。

パズルを解け

パズルを解くように、とにかく勘を働かせて解くことが重要です。

すべてのパターンを検証していると時間がいくらあっても足りません。

それを解決するためには、あってそうなものから検証することが重要です。

 

勘をどうやって働かせるかって話になりますけどそれを推定するために上の項目があるんですね。

ここは量をこなすとどんどんできるようになるので先に仕上げてしまったほうが良いです。

おまけ

よく出てくるものに関しては覚えておくといいです。ポイントとして囲っておきますね。

・加熱したら水ができた→マレイン酸かフマル酸

・高分子の材料ができた→テレフタル酸、スチレン

・酸性と還元性を持つ→ギ酸

・黄色い沈殿ができた→ヨードホルム

他にもありますが、これらは非常に強力です。形をガッツリ決めてくれます。

このように、ある程度予測するためにも頻出なものはまとめて暗記してしまいましょう。

ライバルはキーワードを見てもピンとこない人が大多数です。

それだけで5点以上差がつくと思います。

それでもイメージがつかない人へ

過去に僕が解いた答案があったので、これを見てください。

このような形で、結構サクサク解いてしまいます。

1.不飽和度が4近傍ならベンゼン環と決め打ちで検討

2.骨格は不用意に変わらないのでそこから絞り込み

3.脱水と見た瞬間にすぐに決めうち

これらの内容が今ひとつピンとこない人は、もう一度読んでいただけるとわかると思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?今回は有機化学の構造決定問題をどうやって解いていくかというアウトラインを話していきました。

正直この分野ができるかどうかで合否はだいぶ左右されます。

近年は高分子からの出題が多いので割と適当に扱われがちな分野にもなっています。

しかし、この問題は化学のエッセンスが詰まっているといっても過言ではないですし、薬学部はこのような形で複雑な化合物を作っているわけです。

ぜひとも得意分野にして、合格を勝ち取ってください。